綾瀬 膝伸展制限
2017-06-26
生活場面においてかなり支障になる膝伸展制限
人間の下肢(脚)には、股関節・膝関節・足関節といった大きな関節が3つあって、それぞれ下肢を動かす機能と体重を支える機能という大切な働きを果たしています。
その中でも下肢の関節の中心的な役割を担っているのが膝関節です。
このひざ関節の可動性は広く曲げ伸ばしとなる屈伸運動では、歩行時で約60度・しゃがむ動作で約100度・正座においては約140度と言われています。
また、可動性と共に重要な機能である支持性においても膝関節は大きな負担がかかる部分で、平地歩行時で体重の約1.5~2倍・階段昇降時では約2~3倍・走ったりする時には約5倍以上もの力がかかるのです。
このようなとても大事な役割を担っている膝関節なので、膝関節が90度以上曲がらないと立ち上がり動作や車・自転車の運転、階段昇降など生活上でかなりの支障が起こってしまいます。
また、膝関節の構造的な安定として必要なのが伸展可動域で、完全伸展してはじめて安定するものなのです。
その為、仮に5度でも膝伸展制限があれば歩く度にそれがストレスになって疼痛を後々引き起こす可能性も考えられるのです。
このように生活に直結する問題となる膝伸展制限を起こしてしまう因子にはどのようなものが考えられるのでしょうか?
膝の伸展制限を起こしてしまう因子として筋の要素があります。
具体的には、ハムストリングスの伸張性と腓腹筋の伸張性の2つが問題になりやすいです。
どちらの筋肉も筋膜で連鎖していて滑走性が低下しやすい部位で、膝の伸展可動域の約半分はこれらの筋肉の伸張性低下が影響していると考えられているのです。
また、これに加えて大腿四頭筋の筋力低下も関係して影響することも考えられます。
骨の要素としては、膝蓋骨の可動性・大腿骨と脛骨の可動性・腓骨の可動性があります。
膝蓋骨については全方向に制限なく動くことが重要なのですが、大腿部外側にある筋肉の固さや内側広筋の筋力低下が問題となって制限されてしまいます。
大腿骨と脛骨の可動性とは大腿脛骨関節の可動性で、脛骨を前後と回旋方向に動かする可動性が制限されることが因子となります。
腓骨の可動性に制限があると圧迫した時に痛みが生じやすくなるので、膝蓋骨・大腿骨と脛骨・腓骨の全てにおいて満遍なく可動できる必要があるのです。
軟部組織の要素としては、膝蓋下脂肪帯の固さと膝蓋上嚢の固さがあって、どちらも膝蓋骨の上下運動の阻害因子になりやすいのです。
これらが膝伸展制限の因子になりますが、その他にも様々な制限因子があって、症例によって違うことも理解しておく必要があります。
先にも触れましたが、膝関節に制限があると生活場面においてかなり支障になりますし、変形性膝関節症のような状態になってしまうことも考えられます。
さらには膝関節の負担を他の関節で代償しようとすることから、股関節痛や腰痛を引き起こしてしまう可能性もあるのです。
膝蓋大腿関節と大腿脛骨関節のどちらに制限があるか、大腿四頭筋とハムストリングスのバランスと筋緊張の2点をまず考えて評価して適切な治療をすることです。
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