足立区綾瀬駅 かみしめ症候群
2019-06-10
かみしめ症候群の治療は医師と歯科医師との協力が必要
習慣やストレスなどによって起きるかみしめは、過度になると歯だけでなくて体にも悪影響を与えることがあります。
では具体的にかみしめ過ぎると何が悪いのかというと、かみしめることは歯を強い力で揺さぶることになって、歯を支えている歯槽骨が圧迫されて吸収を起こします。
それにより歯槽骨が薄くなって炎症があると歯槽骨退縮や歯肉の退縮などの歯周病を引き起こしてしまうのです。
また歯肉退縮が発生すると歯根が露出して歯が長くなったようになると、知覚過敏やむし歯を引き押し約なります。
さらに揺さぶられた歯の歯頚部は、ひび割れを引き起こして削れて楔状欠損を起していくと、さらに知覚過敏やむし歯になりやすくなるのです。
生涯使う永久歯は少しずつ減るのは自然なことですが、かみしめると歯のすり減りが早くなって平らな歯になってしまいます。
そうなると噛む位置が不安定になりやすく顎のずれを生じやすくなるのです。
かみしめると奥歯の歯槽骨の発育を抑制するために、奥歯の高さが低くなって前歯のかみ合わせが深くなったり、前歯の唇側傾斜が強くなったりします。
そうなると成長期の顎顔面の骨格形成にも影響が起こりますし、矯正治療を行う時に歯が動きにくくなってしまうのです。
常にかみしめていると顎顔面や首・肩などの筋肉が疲労して痛みを感じる場合がありますし、口の開閉時に関節に音や痛みを感じることもあります。
このように無意識のうちに口元をひきしめて歯を食いしばっていると、様々なトラブルを引き起こしてしまうのです。
ただ、このようなトラブルが発生するのは口の中ばかりではなくて、お腹にガスが溜まって気持ち悪い、肩が凝る、目の奥が痛むなど、一見無関係と思える症状がかみしめることで起こることもあります。
実は、かみしめと舌が上顎にくっついて、その反射として唾液と空気を飲み込むことになるのです。
1回に飲み込まれる空気の量は約2~3cc程度で、1日に約50cc程度までは正常範囲とされますが、過剰にかみしめ動作をしていると胃や腸に約200~300cc程度の空気が溜まるケースもあります。
その結果、通常以上にげっぷや胃のあたりの不快な膨満感、頻繁な排ガス、左上腹部の痛みなどが引き起こされてしまうのです。
また緊張が首や肩にも波及して、肩こり・側頭部などの頭痛・あごや目の痛みも起こりますし、時には食道の異物感や食欲不振、胸部の痛みなども起こります。
こうした多様な症状をまとめて、かみしめ症候群と呼んでいるのです。
このかみしめ症候群の治療についての考え方としては、心療内科の心身医学療法と歯科のスプリント療法との共同治療が基本になります。
つまり、かみしめを起こす習慣やストレスとなる要因などについての心理的治療とスプリントを使用した歯科治療を並行して行う必要があるということです。
しかし現実的にはかみしめ症候群の治療において、医師と歯科医師の共同作業が成立することが難しくて、それが治療上の大きな問題となっています。